-アクア・トト ぎふ 開館15周年特別企画-
企画展 ブラジル・パンタナール大湿原 アマゾンを超える水の楽園 〜第2章 残された森〜
はじめに
第1章では「澄み渡る泉」と題し、当館スタッフが赴いたパンタナール大湿原を流れるプラタ川をご紹介しました。
続く第2章では水中から陸上にスポットを当てました。
しかしながら、現在、この森は開発に蝕まれ、森を住処とする多くの生き物たちにとって「残された森」となりつつあります。
今回の企画展では、森に生息する多種多様な生き物たち、さらにはそれを取り巻く環境問題についてご紹介いたします。
乾季の水たまりに
アストロノトゥス・クラシピニス / レピドシレン・パラドクサ
残された森に
カリクテクィスの一種 / ルリコンゴウインコ
広がる草原に
アカアシガメ
残された大地に
マタコミツオビアルマジロ / アルゼンチンブラックアンドホワイトテグー
SOSパンタナール!
人間の活動が引き起こす生態系の破壊
- 農業開発のために森林伐採と土砂や化学物質の流入による河川の汚染
- 違法な野焼きや、タバコのポイ捨てによる大規模火災
- ゲームフィッシングや養殖による外来種の移入
- 観光地の発展に伴う道路建設・整備による環境の破壊と動物のロードキル
他にもゴミ問題など急速に発展してきたパンタナール周辺は、多くの問題を抱えています。
川の王様
ドラード
コリドラス・エネウス / グリーンファイアーテトラ / タライーラの仲間 / コリドラス・ハスタータス / アピストグラマの一種 / ブラックネオンテトラ / ハセマニア
おわりに
当館スタッフが訪れたのはパンタナール大湿原のごくごく一地域に過ぎず、全体を見渡してきたわけではありません。それでも生物の多様さや豊かさを肌で感じ、同時にそれらが何の対策も講じなければ失われようとしていることに身につまされました。
2019年1月に、ブラジルのアマゾン川の上流域とパンタナール地域などの2か所がラムサール条約湿地に追加指定され、これからの保全と生態系を維持したままの持続的な利用が期待されています。自然を守っていくには法的な整備だけではなく、多くの人々が自然に関心を持つことが何よりも大切です。
この度の企画展により、少しでも世界の自然や身の回りの自然に興味を持っていただけたのなら幸いです。
アクア・トトぎふ 企画展 『ブラジル・パンタナール大湿原 アマゾンを超える水の楽園 〜第2章 残された森〜』(2019.12-2020.4)