エゾサンショウウオ
学名:Hynobius retardatus
全長:12〜20cm
分布:北海道2020年12月と4月、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの研究グループが北海道胆振地方の池において、成体ほどの大きさにも関わらず外鰓が残っているなど幼体の特徴をもつ個体を発見しました。それらの個体は運動性のある精子をもっており、人工授精においても受精能力が確かめられたことから、幼形成熟個体であることがわかりました。エゾサンショウウオの幼形成熟個体が発見されたのは約90年ぶりのことになります。展示している個体はその時に発見された幼形成熟個体です。今後も当館において飼育観察を継続し、生活史等の解明を目指して共同研究を進めていく予定です。
幼形成熟個体とは?
姿や形は幼生の特徴を持っているにもかかわらず、生殖期間は成熟しており繁殖可能な状態の個体のこと。ウーパールーパー(メキシコサラマンダー)も幼形成熟の一例です。
昭和7年以来約90年ぶり
大正から昭和初期にかけて北海道・倶多楽湖においてエゾサンショウウオの幼形成熟個体の生息が報告されていました。しかし、昭和7年に2個体が発見されてからは見つかっていません。放流されたヒメマスによって捕食され、全滅したと考えられています。