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世界淡水魚園水族館”アクア・トトぎふ”での記録。

企画展 ニホンウナギ

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企画展 ニホンウナギ

ごあいさつ
ニホンウナギは食材として、皆が愛してやまない魚です。土用の丑の日にウナギを食べる文化は江戸時代に誕生しましたが、古くは縄文時代の遺跡からもうなぎの骨が出土しています。
日本人にとって昔から馴染み深い魚ですが、産卵場所が発見されたのはごく最近の話で、その生態はまだ謎につつまれています。また、近年、その数が激減していることから絶滅危惧種に指定されたことは社会的に大きな話題となりました。
ウナギは大変おいしい魚です。それだからこそ私たちの子孫にもウナギの美味しさを味わってもらいたいと思い、さらには生態系の一員として、いつまでも生き続けていってほしいと願っています。この特別展「ニホンウナギ」をきっかけに、ウナギを知り、ウナギとの付き合い方について今一度考えていただければ幸いです。

 

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01 世界のウナギとニホンウナギ

02 ニホンウナギの生態

03 謎多きウナギ

04 河川でのくらし

05 ニホンウナギの養殖

06 完全養殖への道

07 ウナギの体

08 ウナギと人

09 ウナギを探せ

10 ニホンウナギが減った原因

11 ニホンウナギとの付き合い方

1.調べる
ニホンウナギの生態は、実際にどのくらいの数がいるのかまだまだ分からないことばかりです。シラスウナギや乱獲について解説したパネルに示したグラフは、あくまで「漁獲量」です。これは漁協へのアンケートなどから作成されており、その信頼性には疑問が残ります。また、調査河川の減少や、釣り等レジャーでの漁獲についても、現在では調査対象から外されているため、本来の資源量を表しているものではありません。
現在、日本だけでなく東アジアを含めた各地の河川で、「ウナギ川プロジェクト」が進められています。これは特定の河川で科学的かつ長期的にニホンウナギの調査を行うことで、保全に役立つデータを得るとともにウナギ保全のシンボルにしようという取り組みです。この取り組みを推進するとともに、さまざまな分野での研究を進めていくことは、保全や持続可能な利用を考える上で基礎となり、非常に重要なことなのです。

 

2.守る
現在、水産庁ならびに各自治体において、捕獲禁止期間を設けたり、養殖に用いるシラスウナギの量を制限するなどの取り組みが始まっています。減ってしまったニホンウナギを守るためには、これらの規制をより強化していく必要があるでしょう。
また、ニホンウナギが育つ環境を改善することも重要です。コンクリートや人工構造物が与える影響はニホンウナギだけでなく、そこに暮らすさまざまな生き物にとって、大きな影響を与えます。河川改修の工法、また構造物そのものの必要性についても再検討する必要がありますが、本当に必要かどうか、皆さんにも考えていただきたいと思います。
昨今、減ってしまったニホンウナギの代わりとして異種ウナギ※ が輸入され、ニュースなどで好意的に取り上げられることがあります。しかし、異種ウナギが外来種として実際に定着している例があることや、新たな寄生虫や病原菌を持ち込む危険性もあります。また、輸入されるウナギの資源管理も行われていないため、新たな絶滅危惧種をうむ可能性も高いのです。異種ウナギを救世主のように扱うことは慎むべきです。
※異種ウナギとは、主に熱帯地方にすむ別種のウナギ

 

3.「ハレ」の日に食べる
ウナギは大変おいしい魚です。そして、スーパーなどで簡単に購入できて、その味をいつでも楽しめるようになりました。しかし、絶滅の恐れがある野生動物であり、たとえ養殖物であっても、野生個体を捕まえて育てたものであることを忘れてはなりません。
ウナギを食べることや捕ることは、古くから続いてきた伝統文化であり、これからも継承していくべきです。そのためにも、今一度ウナギの食べ方について、考え直してみてはいかがでしょう。本来、ウナギは高級な魚であり、いつでも食べることのできる食材ではありませんでした。これからは、特別(ハレ)の日に、専門の店でじっくり味わう食べ物にしたいものです。

 

アクア・トトぎふ 企画展『ニホンウナギ』(2015.4-7)